No.15 (ランダム表示)
上田哲さん「賢治をめぐる女性たち——高瀬露を中心に」(河出書房新社「図説 宮沢賢治」)より。
「高瀬露は自分についての悪評を知らなかったわけではない。『イーハトーヴォ』創刊号の高橋慶吾の文章や第十号の関徳弥の文章に、身におぼえのないことが書かれているのを読んでいるのであった。それなのに反論も弁解もしていないのは不思議である。明らかな犯罪者でも否認したり弁解したりするのが普通である。彼女は生涯一言の弁解もしなかった。この問題について口が重く、事実でないことが語り継がれている、とはっきり言ったほか、多くを語らなかった。これは彼女がキリスト者であったことによるのかもしれない。肉体的苦痛はもちろん、貧窮、迫害、誹謗などを自分の十字架としてにない、キリストの十字架の御苦に合わせ献げるため甘受するといった考え方が昔の信者にはあった。また、どうしてこのようなうわさを流布されるようになったかを話せば傷つく人のあることも考えていたようである。」
この一文を読むたびに、短い間とはいえ露さんの悪評を信じてしまったことを大変情けないと感じ、自分の浅はかさを反省しています。
#高瀬(小笠原)露さん #「悪評」関連 #賢治研究界の「猫の事務所」 #資料の中の気になる記述
「高瀬露は自分についての悪評を知らなかったわけではない。『イーハトーヴォ』創刊号の高橋慶吾の文章や第十号の関徳弥の文章に、身におぼえのないことが書かれているのを読んでいるのであった。それなのに反論も弁解もしていないのは不思議である。明らかな犯罪者でも否認したり弁解したりするのが普通である。彼女は生涯一言の弁解もしなかった。この問題について口が重く、事実でないことが語り継がれている、とはっきり言ったほか、多くを語らなかった。これは彼女がキリスト者であったことによるのかもしれない。肉体的苦痛はもちろん、貧窮、迫害、誹謗などを自分の十字架としてにない、キリストの十字架の御苦に合わせ献げるため甘受するといった考え方が昔の信者にはあった。また、どうしてこのようなうわさを流布されるようになったかを話せば傷つく人のあることも考えていたようである。」
この一文を読むたびに、短い間とはいえ露さんの悪評を信じてしまったことを大変情けないと感じ、自分の浅はかさを反省しています。
#高瀬(小笠原)露さん #「悪評」関連 #賢治研究界の「猫の事務所」 #資料の中の気になる記述
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